オマーン市場概要
Vision 2040推進下での多分野・多層的成長基盤
2025年末までにOPAZ管轄の経済特区・工業都市の投資総額は210億リアルに達し、前年比10%増加。ドゥクム特区への投資が63億リアルに拡大しています。また、AI・5G・デジタル行政などへの投資も進み、GDP比で2030年までにデジタル分野が10%規模になることを目指しています。
基本情報
- 人口:約550万人(2025年推計;国民・外国人含む)
- 面積:309,500 km²(日本の約8割)
- 名目GDP:約1,043億USD(2025年推計)
- 一人当たりGDP(名目):約18,100USD(2025年)
- 主要産業:石油・天然ガス、観光、物流、農業および鉱業
- 言語・通貨:アラビア語(ビジネスでは英語も使用)、通貨:オマーン・リアル(OMR)

市場性・ビジネス機会
- 経済成長:2025年の実質GDP成長率は約2.2〜2.8%(2024年は約1.7%)と見込まれ、鉱油依存からの脱却が進展中
- グリーン・再生エネルギー:2025年には再生可能エネルギーが総発電量の約21%になり、11.5%目標を上回る実績炙り出し中
- グリーン水素戦略:2030年までに1Mtpa、2040年3.7Mtpa、2050年8.5Mtpaの生産目標を掲げており、輸出目標との一体的な港湾整備も進む
- 物流・輸出拠点:ドゥクム、ソハール、サラーラなど複数のフリーゾーン、港湾整備がVision 2040の柱として整備中
- スタートアップ/PE投資:再エネ、観光、食品、鉱業支援分野でベンチャー活動が活発化
日本企業にとっての参入優位性
- ドゥクム経済特区:2,000 km²の土地に自由経済特区として投資優遇を展開。製造・物流・再エネ・観光産業に向く
- 政治の安定性:湾岸で最も安定した統治体制と評価され、リスク低減につながる
- 親日的関係:歴史的繋がりと政府間協力により、日本技術への信頼と期待が高い
- 技術ニーズ:水処理、環境技術、再生エネルギー、ヘルスケア、ICT分野への需要増加
商習慣・文化的配慮
- 社会風土:寛容かつ伝統重視。ファミリー型経営が多く、合意形成型の商談スタイル
- 関係構築重視:意思決定権者との信頼関係を丁寧に築く必要あり
- 時間観念:柔軟で長期的な交渉が一般的
- 宗教・文化配慮:礼拝5回、ラマダン期間中の勤務調整、日常の配慮が不可欠
物流・インフラ環境
- 港湾:ドゥクム港、ソハール港、サラーラ港など、グローバル物流の集積地に位置
- 空港:マスカット国際空港と新空港建設による空港容量の拡大
- 道路/鉄道インフラ:GCC鉄道計画およびハイウェイ網により地域間物流が強化されている
- 通信・電力:高速モバイル/光通信網が整備済。エネルギー供給の多角化(再エネと水素)進行中

リスク・制度改革
- 課税改革:2028年より所得税導入へ(年間收入OR42,000以上に5%課税)、GCC初の制度搬入となる見込み
- 信用格付け:2025年にムーディーズがオマーンを投資適格「Baa3」に格上げ、財政健全性を評価
- 制度運営:Vision 2040に基づく政策整備が進む一方、透明性と実効性の統合が今後の課題
対日関係・日本進出実績
- 日・オマーン投資保護協定(BIT)は2015年署名、2017年発効済みで、日本企業の現地進出を制度的に後押し。
- 2025年5月実施の「オマーン=日本投資フォーラム」にて、官民の連携強化と新規投資機会が協議されました。
業界別市場規模・成長予測
- ドゥクム経済特区への投資は2025年には63億リアルに拡大、OPAZ管轄を含む総投資額は210億リアルに達しました。
- ICT/デジタル分野への投資も順調に拡大中で、2030年には国内GDP比10%規模となる見込み。
現地人材・労働条件
- 最低賃金はOMR 325/月(約844USD)、外国人労働者には法定最低水準なし。
- 技術職給与帯は業種・役職によるが、例えばプロジェクト管理者で2,000–3,000 OMR/月(5,500–8,000USD)との報告あり。
金融・契約文化
- 政策・制度面での透明性は高く、国際標準に沿った投資保護体制が整備されています。仲裁支援も充実

将来性
Vision 2040のもと、観光・再生可能エネルギー・物流の成長戦略が本格稼働。国有物流企業の上場など民間参入の扉が開きつつあり、中東随一の「安定」と「進化」を併せ持つパートナーとして、日本企業に長期的価値をもたらします。