クウェート市場概要
石油収入に支えられた安定発展と制度改革の進展
2025年、原油セクター回復によりクウェートは3.0%のGDP成長を見込んでおり、2024年は–2.4%からの回復となります(非石油部門の回復も寄与)。
知識経済とスマート都市化を重視する国家開発計画が策定され、日本技術と信頼に基づく協力が期待されています。
基本情報
- 人口:約498万人(うちクウェート国民154.5万人、外国人比率約71%)
- 面積:17,818 km²(四国と同規模)
- 名目GDP:1,602〜1,618億USD(2025年予測)
- 一人当たりGDP:32,200〜32,600 USD
- 主要産業:石油・天然ガス、金融、インフラ、製造
- 言語・通貨:アラビア語(英語も広く使用)/クウェート・ディナール(KWD)

市場性・ビジネス機会
- 経済成長:2024年 –2.4% → 2025年 +3.0%へ回復見通し(非石油分野の拡大)
- インフラ投資:都市開発、港湾整備、空港拡張などに約260億USDを投資中
- 観光産業:旅行・観光市場は2029年までに11.28億USDに成長見通し
- 民間資本活性化:PE・スタートアップ投資も活性化中(年760万USD規模)
日本企業から見た参入理由
- 外資規制の緩和:特定条件下で現地代理店不要、外資100%出資可能
- 不動産取得自由化:KDIPA認定企業に限定的に認可(2025年改正)
- 法人税改革:OECD基準に沿ったトップアップ税(最低税率15%)
- 日クウェート連携:インフラ・再エネ・文化分野での協力が深化中
ビジネス文化・商習慣
- 信頼重視:意思決定権者との直接関係構築が重要
- 柔軟なスケジュール管理:遅延や変更に寛容な文化
- 宗教配慮:礼拝時間やラマダンへの理解が必須
- 関係重視型商談:非公式な面談から始まるケースが多い
インフラ・物流
- 港湾:シュワイク港・シュアイバ港が中核拠点
- 空港:クウェート国際空港が中東・欧州・アジアと結節
- 道路網:高速道路で湾岸諸国と接続
- 通信・電力:全国5G整備済み、石油資源により電力安定

法制度・リスク管理
- 政治的不安定性:議会と政府の対立による行政停滞リスク
- 財政構造の硬直性:歳出の大部分が公務員給与・補助金に依存
- 制度運用の不確実性:手続き・許認可に時間がかかる傾向あり
対日関係・日本企業の進出実績
- 日・クウェート間の投資保護協定(BIT)は2012年より有効で、日本政府との包括戦略的パートナーシップに格上げ(2025年5月)されています。
業界別市場規模・成長予測
- ICT市場は2023年に約224.8億USD規模、2028年には398.3億USDに成長する見通し(CAGR約10%)
- その他にもエネルギー・インフラや建設分野で公共投資が活発であり、技術・機器供給の需要が高まっています。
現地人材・労働条件
- 最低賃金(法定)は2025年時点で月75クウェート・ディナール(約248USD)ですが、実際の平均給与は国籍・業種によって差があります。クウェート人は月平均1,493KWD、非国民労働者は平均338KWD(月)とされています。
- 労働市場構造:2024年末時点でクウェート国民の公共部門就業者は約40万人、一方非国民労働者を含めた労働人口の約79%が外国人労働者です。
- ICT・技術系職種では給与帯が400〜950KWD/月(技術者)と高水準で推移しています。
金融・契約文化(ESG・法制度含む)
- クウェート政府系ソブリンファンド(KIA)は2025年時点で運用資産1.029兆USD、世界で5番目に大きなSWFです。
- 仲裁・訴訟制度については、Kuwait国際仲裁(2025年仲裁法案などの動向)と国際仲裁センター(ICSIDケース)の判断例も増加しており、投資紛争解決制度の整備が進んでいます。

将来性
約10年ぶりの公債発行を決定し、大規模なインフラ刷新や港湾・空港開発が動き出しました。
石油依存からの脱却を図る「石油+α」の新経済モデルは、今まさに立ち上がりのタイミング。
日本企業にとって、初動で市場ポジションを確立できる絶好の好機です。